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千葉市・千葉県のIT補助金・支援制度まとめ2026|地元企業が使える制度を総整理

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「補助金は国のものしか知らない」という千葉の経営者に、少し教えたいことがあります。

千葉市と千葉県には、IT導入・デジタル化を直接支援する独自の制度が複数あります。国の補助金(IT導入補助金・持続化補助金・ものづくり補助金)と組み合わせると、かなり有利にIT投資ができる。知っているか知らないかで、数十万円の差が出る話です。

以前の記事では国の補助金3つをまとめましたが、この記事では「千葉市・千葉県の支援制度」に絞って、制度名・金額・窓口・注意点を整理します。

千葉市・千葉県の制度が「穴場」な理由

国の補助金との違い

IT導入補助金やものづくり補助金は、全国の中小企業が同じ枠を争う制度です。採択倍率は回によって変動しますが、注目度が高い分、申請者も多い。

一方、千葉市や千葉県の制度は対象者が「千葉市内限定」や「千葉県内限定」で絞られるため、同じ予算を狙う競合が国の制度より少ない。通年募集の制度もあり、「今すぐ相談できる」という使いやすさもあります。

千葉市限定制度の強み

特に千葉市産業振興財団の「ICT活用生産性向上支援事業」は、コーディネーターが伴走してくれる点が特徴です。申請書類の書き方から、導入後の効果測定まで一緒に進めてもらえる。「補助金に慣れていない」「事業計画書が書けない」という状況でも入りやすい制度です。

ただし、千葉市の制度には注意点があります。「千葉市内に本社または主要事務所があること」が原則条件なので、船橋市・市川市・松戸市・柏市など千葉市外の企業は対象外になります。その場合は、千葉県の制度(千葉県産業振興センター経由)を使ってください。

使える制度 早わかりカード

千葉市 ICT活用支援(タイプA)

最大50万円・補助率2/3(ソフト等)
対象:千葉市内の中小企業(既存事業者)
通年募集・コーディネーター伴走あり

千葉市 創業支援補助金

最大30万円
対象:特定創業等支援事業修了者
創業に必要な経費(設備・広告費等)を補助

登録免許税の軽減(創業者向け)

株式会社で最大7.5万円節税
対象:特定創業等支援事業の証明書保有者
令和9年3月31日までに登記申請が必要

千葉県 デジタル支援ネットワーク

補助金ではなくITベンダーとのマッチング支援
対象:千葉県内の中小企業全般
無料相談・コーディネーター紹介

千葉市産業振興財団「ICT活用生産性向上支援事業」

千葉市の中小企業が使える、最も実践的なIT支援制度がこれです。「ICTを使って生産性を上げたいが、何から手をつければいいかわからない」という状況から使えるのが特徴で、申請前から専門のコーディネーターが伴走してくれます。

対象となる事業者の条件はシンプルで、「千葉市内に本社または主要事務所があり、現在事業を行っている中小企業」であれば基本的に申請できます。これから新たに事業を始める人(創業前)は、後述の創業支援補助金を使ってください。

補助対象経費と補助率

経費の種類 補助率 具体例
クラウドサービス・ソフトウェア購入・コンサルティング・研修 2/3(上限50万円) 会計ソフト、勤怠管理ツール、業務システム構築費、IT研修費
機器購入・リース 1/3 業務専用端末、タブレット(IT活用が前提)

ソフトウェア・クラウド・コンサルティングが補助率2/3というのはかなり手厚い水準です。たとえば、月額2万円のクラウド業務管理システムを1年間導入するとして、年間24万円のうち約16万円が補助される計算になります。

使える経費・使えない経費

使える経費(例)

  • クラウド会計・クラウド勤怠管理ツールの導入
  • 業務管理システムの構築・カスタマイズ
  • セキュリティ対策ソフトウェアの導入
  • IT活用のための社員研修・外部コンサルティング
  • 顧客管理(CRM)・受発注システムの構築

使えない経費(例)

  • 交付決定前に発注・契約した費用(事前着手は全額対象外)
  • 汎用パソコン・プリンターの単純購入
  • 効果測定が難しい汎用消耗品
  • 同一企業が以前に同制度を利用した場合の再申請
  • 千葉市外に主たる事業所がある企業の申請

特に注意してほしいのが「交付決定前の着手」です。補助金全般に共通するルールですが、採択(交付決定)が出る前に発注・購入・契約してしまうと、その経費は全額対象外になります。「もう申し込んじゃったんですが、後から補助金使えますか?」という相談を現場で何度か聞きましたが、残念ながらそれは使えません。補助金を使いたいなら、申請→採択→発注の順番を守ることが絶対条件です。

申請の流れ

1

千葉市産業振興財団に電話・相談予約

電話番号:043-201-9506。「ICT活用支援について相談したい」と伝えるだけでOK。コーディネーターが対応してくれます。

2

ヒアリング・課題整理

コーディネーターが自社の業務課題を聞き取り、どのIT導入が適切かを一緒に整理します。

3

申請書類の作成・提出

コーディネーターの支援を受けながら書類を作成。自力で全部書く必要はありません。

4

交付決定後に発注・契約

採択通知が届いてから、ITツールの購入・契約を行います。順番を間違えないことが最大の注意点。

5

導入・効果測定・実績報告

IT導入後に効果測定を行い、報告書を提出。補助金が入金されます。

通年募集ですが、「年間の予算枠がなくなり次第終了」という点には注意が必要です。年度末(2〜3月)は駆け込み申請が増えて予算が先に埋まることもある。気になったら早めに電話して確認してみてください。

2025年度(〜2026年3月31日)の公募は現在終了間近です。2026年度(4月〜)の新規公募は例年通りであれば春以降に案内が出るはずなので、最新情報は千葉市産業振興財団のウェブサイトで確認してください。

創業者向け:登録免許税軽減と創業支援補助金

これから会社を設立する予定がある方は、見落としがちな制度が2つあります。

特定創業等支援事業とは

千葉市が国の認定を受けて実施している創業支援プログラムです。千葉市産業振興財団が開催する「創業者研修(4日間)」などを受講・修了すると、修了証明書を取得できます。

この証明書がポイントで、「特定創業等支援事業の証明書」があることで次の2つの恩恵を受けられます。

証明書でもらえる2つの恩恵

最大7.5万円

登録免許税の軽減

株式会社設立時の登録免許税が資本金の0.7%から0.35%に半減。最低税額15万円が7.5万円に。合同会社の場合は6万円が3万円に。令和9年3月31日までに登記申請が必要。

最大30万円

千葉市創業支援補助金

証明書保有者が対象。創業に必要な経費(ウェブサイト制作・設備・広告費等)の一部を補助。詳細・申請窓口は千葉市産業振興課に確認を。

創業予定の方は研修を受けるだけで7.5万円節税できるので、受けない理由がありません。千葉市産業振興財団の創業者研修は4日間の研修プログラムで、補助金の話だけでなく事業計画書の作り方・財務の基礎・マーケティングなど、実務に直結する内容が含まれています。

証明書の申請はちば電子申請サービスから行い、郵送で届くまで約10日かかります。会社設立の登記申請より先に証明書が手元にある状態にしておくのが前提なので、余裕を持って動き始めてください。

千葉県「ちばデジタル支援ネットワーク」

千葉県が運営するこの制度は、補助金ではなく「ITベンダーとのマッチングサービス」です。デジタル化・IT化に取り組みたい県内の中小企業に対して、登録したITベンダー(コンサル・Web制作会社・SIer等)を紹介してくれます。2024年10月からポータルサイトが本格稼働しています。

千葉市外の企業(船橋・市川・松戸・柏・習志野・浦安など)はここが入り口になります。千葉市産業振興財団のICT活用支援は千葉市内限定ですが、「ちばデジタル支援ネットワーク」は千葉県全域を対象にしています。

使い方はシンプルで、千葉県産業振興センター(電話:043-223-2718)に相談すると、課題をヒアリングのうえで登録ベンダーを紹介してもらえます。費用は無料(ベンダーとの契約費用は別途)。相談して合わないベンダーだったら別の会社を紹介してもらうことも可能です。

国のIT導入補助金と合わせて使う場合は、紹介されたベンダーが「IT導入補助金のIT導入支援事業者」として登録されているかどうかも確認してみてください。登録業者経由でないと補助金の対象にならないため、マッチング段階でその確認をしておくと後で手間が省けます。

千葉商工会議所を活用する3つの理由

千葉商工会議所(千葉市中央区中央2-5-1)への入会は年約1.2万円の会費が必要ですが、IT支援の観点から見ると3つの使い方があります。

1つ目は、「小規模事業者持続化補助金の相談窓口」です。持続化補助金はホームページ制作・Web広告・チラシ制作などに使える補助金で、補助率2/3・上限最大200万円。申請には商工会議所の支援が必要で、「書き方がわからない」という段階から相談に乗ってもらえます。初めて補助金を申請するなら、ここから入るのが最も確実なルートです。

2つ目は、「IT導入促進チームへの相談」です。千葉商工会議所はIT導入の相談窓口として地元ITベンダー3社と連携しており、「どんなツールを使えばいいか」「自社の課題に合ったIT投資は何か」を無料で相談できます。ベンダーを探す手間が省けるので、IT導入に不慣れな企業には便利な窓口です。

3つ目は、「ザ・ビジネスモールへの掲載」です。会員になると b-mall.ne.jp に企業ページを作れます。被リンク獲得とあわせて、千葉地域のビジネスネットワークにも参加できます。

補助金の活用だけを目的にするなら費用対効果は判断が分かれますが、地域コミュニティやビジネスネットワークの価値まで含めれば、年1.2万円は決して高くないと個人的には思います。

国の補助金との組み合わせ方

千葉市・千葉県の制度と国の補助金は、同一の経費に重複申請することは原則できません。ただし、別々の経費・別々の事業に振り分ければ、複数の制度を並行して使うことは可能です。

パターンA:業務効率化 + 販促強化

千葉市ICT活用支援でクラウド会計・勤怠管理を導入(最大50万円)→ 持続化補助金でホームページ制作・Web広告に使う(最大200万円)。別々の経費なので重複にならない。

パターンB:創業時にダブルで活用

特定創業等支援事業の証明書で登録免許税を7.5万円節税 → 千葉市創業支援補助金(最大30万円)でウェブサイト制作費を補助。証明書1枚で2つの恩恵を受けられる。

パターンC:フル活用ロードマップ

①千葉市ICT活用支援で業務基盤のデジタル化 → ②IT導入補助金でさらに大きなシステム投資 → ③ものづくり補助金で新サービス開発。段階的に成長させる戦略。

重要な注意事項として、同じITツールや同一経費に複数の補助金を使うことは「重複申請」になり認められません。「このパソコン購入に千葉市の支援とIT導入補助金を両方使えますか?」という質問をよく受けますが、それはできません。「A社のクラウドシステム導入には千葉市の制度、B社の会計ソフト導入にはIT導入補助金」という形で経費を分けるのが正しいやり方です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 千葉市ICT活用支援は個人事業主でも使えますか?

使えます。「千葉市内に主たる事務所がある中小企業」に個人事業主も含まれます。ただし、創業前(まだ事業を開始していない)の方は対象外です。開業届を提出済みであれば問題ありません。

Q2. 通年募集とのことですが、いつでも申請できますか?

相談はいつでも受け付けていますが、制度の予算枠がなくなった時点で受付終了になります。年度末(2〜3月)は申請が集中しやすい時期なので、4月から新年度が始まるタイミングで動き始めるのがおすすめです。また、2026年度(4月以降)の制度内容は改定される可能性があるため、最新情報は千葉市産業振興財団に確認してください。

Q3. 船橋市の会社ですが、千葉市の制度は使えますか?

千葉市産業振興財団のICT活用支援は千葉市内限定のため、残念ながら直接の対象外です。「千葉県産業振興センター」(電話:043-223-2718)に相談すると、千葉県全体を対象とした支援やデジタル支援パートナーを紹介してもらえます。また、国の補助金(IT導入補助金・持続化補助金)は市区町村を問わず使えるので、商工会議所・商工会に相談するルートもあります。

Q4. 特定創業等支援事業の研修はどこで受けられますか?

千葉市産業振興財団が定期的に開催している「創業者研修」がその対象です。4日間のプログラムで、事業計画・財務・マーケティング等の内容が含まれます。詳しい日程は千葉市産業振興財団のウェブサイトか、産業創造課(043-201-9506)に問い合わせてください。

Q5. 申請から補助金入金まで、どれくらいかかりますか?

制度によって異なりますが、千葉市ICT活用支援の場合はヒアリングから交付決定まで1〜2ヶ月、その後IT導入・効果測定・実績報告を経て入金まで合わせると半年程度かかることが多いです。資金繰りに影響する場合は、先に自己資金で実施し後から補助金が入る形になる点を把握しておいてください。

Q6. 申請書類の作成が難しい場合は?

千葉市ICT活用支援はコーディネーターが伴走してくれるので、書類作成の心配は少ない制度です。国の補助金(持続化補助金等)の書類作成が不安な場合は、千葉商工会議所に相談する方法が一番手堅い。専門家(中小企業診断士・行政書士等)に依頼する手もありますが、費用がかかる点は念頭においてください。

Q7. 補助金を使って導入したITツールを解約したら、補助金を返す必要がありますか?

制度によって「財産処分制限」のルールが異なります。補助金で取得した財産には一定期間、目的外使用や処分を禁止される場合があります。導入後すぐに使わなくなった場合は事務局に相談してください。勝手に解約・廃棄すると補助金の返還を求められるケースがあります。

Q8. 最新の制度情報はどこで確認できますか?

補助金の内容は年度ごとに変わります。千葉市産業振興財団(chibashi-sangyo.or.jp)、千葉市公式サイト、千葉県産業振興センター(ccjc-net.or.jp)を定期的に確認するのが確実です。「もう締め切りが終わっていた」ということのないよう、気になる制度は早めに問い合わせるのをおすすめします。

まとめ:まず電話1本から

千葉市・千葉県の支援制度は、国の補助金に比べて知名度が低い分、まだ使われていないケースが多い印象です。コーディネーターが伴走してくれる仕組みが充実していて、書類作成が苦手な方でも入りやすい設計になっています。

「うちには使えるのかな」と思ったら、まず千葉市産業振興財団(043-201-9506)に電話して「ICT活用支援について相談したい」と伝えてみてください。千葉市外であれば、千葉県産業振興センター(043-223-2718)が最初の窓口になります。「こんな初歩的なこと聞いていいのかな」は全く不要で、毎日そういう相談を受けています。

制度は知っているだけでは何も変わりません。動いた人だけが使えるお金です。


「どの制度が自社に合うか整理したい」「補助金申請と合わせてIT化の方向性も考えたい」という場合は、HaruIroAIの無料相談でも一緒に整理できます。千葉市内での創業・IT化支援を専門にしているので、地域の制度も含めてお伝えすることができます。

※本記事の制度情報は2026年3月時点のものです。補助金・支援制度の内容・申請期間は年度ごとに変更される場合があります。最新情報は各機関の公式サイトまたは窓口でご確認ください。

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相葉 葵

相葉 葵 / HaruIroAI 広報

「ITって何から始めれば?」——お客さまからいちばん多いこの質問に、わかりやすく答えることを大事にしています。休日は千葉のパン屋さんめぐりが楽しみです。