HP運用で集客できる会社とできない会社の差|中小企業向け7つの実践ガイド
「ホームページ、最後に更新したのいつですか?」
この質問をすると、9割の方が苦笑いします。「3年くらい前かな……」「お知らせ欄の最新記事が2024年の年末年始の営業案内です」——よく聞く話です。日々の業務が忙しくて後回しになる気持ち、痛いほどわかります。ただ、ちょっと想像してみてください。あなたが取引先候補のHPを開いたとき、最終更新が3年前だったら——「この会社、大丈夫かな?」と感じませんか。この記事では、専門知識ゼロでも始められるHP運用のコツを、GA4(アクセス解析ツール)の見方から月次チェックリストまで、優先度順にまとめました。
「作りっぱなしHP」が招く3つの機会損失
検索で見つからない
更新がないサイトはGoogleの評価が下がり、検索順位がじわじわ落ちていく
訪問者が離脱する
古い情報やスマホ非対応が不安を生み、フォーム離脱率76.9%の壁を超えられない
情報が実態と合わない
料金改定や新サービスが反映されず、毎回「変わりまして…」と訂正する羽目に
50万円かけて立派なホームページを作った。デザインもきれい。写真もプロに撮ってもらった。——なのに、問い合わせが1件も来ない。
これ、制作会社が悪いわけじゃないんです。原因はほぼ「作った後、何もしていない」こと。更新されないHPは、知らないうちに3つの損失を生んでいます。
検索で見つけてもらえなくなる
Googleは「最近更新されているか」を評価基準のひとつにしています。何年も放置されたサイトは、検索順位がじわじわ落ちていく。せっかくお金をかけて作ったHPに、誰もたどり着けなくなるわけです。
ある小売業のお客様は、「地域名+業種」で検索しても自社HPが2ページ目にすら出てこなかった。3年前に制作した時点では1ページ目にいたのに、更新をまったくしていなかったんですよね。
訪問者が不安になって離脱する
「この会社に問い合わせてみようかな」と思った人がHPを開いて、サービス内容が実態と違っていたら? 退職した社員がまだスタッフ紹介に載っていたら? ——BtoB(企業間取引)サイトのフォーム離脱率は76.9%というデータがあります。つまり、10人中7〜8人はフォームまで来ても離脱している。
ただでさえハードルが高い問い合わせフォームで、古い情報が不安を増幅させたら、もう押してもらえません。
ビジネスの変化にHPが追いつかない
新サービスを始めた。料金を改定した。営業時間が変わった。でもHPは古いまま。お客さんは古い情報を見て電話してきて、毎回「すみません、それは変わりまして……」と訂正する羽目になる。地味にストレスですし、相手にも「ちゃんとしてない会社だな」という印象を与えてしまう。
正直に言うと、更新していないHPは「ないほうがマシ」な場合すらあります。これは脅しじゃなくて、実際にそういう相談を何件も受けてきた実感です。
今日30分でできる3つの応急処置
「運用」と聞くと、毎週ブログを書いてSEO対策してアクセス解析して……と大変そうに感じるかもしれません。
そこまで一気にやる必要はないです。まずは3つだけ。30分で終わります。
基本情報が最新か確認する(10分)
自社のホームページを、今すぐスマホで開いてください。そして以下をチェック。
- 電話番号・メールアドレス: 合っているか
- 営業時間・定休日: 変更はないか
- 住所: 移転していないか(Googleマップとの整合性も)
- 料金・サービス内容: 実態と合っているか
- スタッフ紹介: 退職した人がまだ載っていないか
1つでも古い情報があったら、最優先で直してください。これだけで「信頼できるサイト」の印象がだいぶ変わります。
お知らせ欄を1件だけ更新する(10分)
大きなニュースがなくても大丈夫。
- 「○月の営業カレンダー」
- 「新しいスタッフが入りました」
- 「GW/お盆/年末年始の営業について」
なんでもいいんです。「最終更新日が最近である」という事実が大事。お知らせ欄に今年の日付が入っているだけで、「このサイトはちゃんと運営されている」と伝わるので。
スマホでの操作性を確認する(10分)
今、Webサイトへのアクセスの約7割がスマートフォンからです。パソコンで見たときは問題なくても、スマホだと文字が小さかったり、ボタンが押しにくかったりすることがよくある。
自分のスマホで以下を試してみてください。
- 文字は読みやすいか
- 電話番号をタップして発信できるか
- 問い合わせフォームは入力しやすいか
- ページの読み込みが遅すぎないか
自分が「使いづらい」と感じたら、お客さんも同じことを感じています。
月1回30分のHP運用チェックリスト
応急処置が終わったら、次は「月1回の習慣」を作りましょう。以下のチェックリストをそのままコピーして使ってください。
【毎月のHP運用チェックリスト】
- お知らせを1件追加した(10分)
- 基本情報(電話番号・営業時間・料金)に変更がないか確認した(5分)
- GA4で先月のアクセス数をざっと確認した(10分)
- お問い合わせフォームのテスト送信をした(3分)
- スマホで主要ページを表示して崩れがないか確認した(2分)
合計30分です。毎月1日、とか月末の金曜日、とか日を決めてしまうのがコツ。カレンダーに「HP点検」と入れておけば忘れません。
話がちょっとそれますが、ある飲食店のオーナーさんは「毎月の棚卸しのついでにHPも確認する」というルールを作っていて、もう2年以上続いているそうです。既存の業務とセットにするのが、一番続きやすい方法なのかもしれません。
GA4の見方を3ステップで覚える
先月と比べて増えたか減ったか。まずはこの推移だけ見ればOK
よく見られているページは情報を充実させる価値がある
検索・直接・SNS・他サイト、どこから来ているかで次の一手が変わる
チェックリストに「GA4(Google アナリティクス4)で先月のアクセス数をざっと確認する」と書きましたが、「GA4って何? どこを見ればいいの?」という方も多いはず。
細かい分析は不要です。3つだけ見てください。
ステップ1:ユーザー数を確認する
GA4にログインしたら、左メニューの「レポート」→「レポートのスナップショット」をクリック。画面上部に「ユーザー」という数字が出ます。これが「先月、何人がHPを見に来たか」です。
最初は数字の大小より、「先月と比べて増えたか減ったか」だけ気にすればOK。
ステップ2:どのページが見られているか
同じ画面の少し下、または「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」で、よく見られているページのランキングが出ます。
「え、このページがこんなに見られてるの?」という発見があるはずです。よく見られているページは、情報を充実させる価値がある。逆に、自信を持って作ったページが全然見られていないなら、導線に問題があるかもしれません。
ステップ3:どこから来ているか
「集客」→「トラフィック獲得」を見ると、訪問者がどこから来ているかがわかります。
- Organic Search: Google検索から来た人
- Direct: URLを直接入力した人
- Referral: 他のサイトのリンクから来た人
- Social: SNSから来た人
Organic Search(検索流入)が少なければSEO対策が必要だし、Directが多ければ名刺やチラシからの流入が多いということ。ここを見るだけで、「次に何をすべきか」のヒントが見えてきます。
私の経験では、GA4を毎月見る習慣がついた企業は、平均して6ヶ月後にはアクセス数が1.4倍になっています。数字を「見る」だけで改善が進むって、不思議ですよね。でも、見るからこそ「ここを直そう」という意識が生まれるんだと思います。
HP運用でやりがちな失敗3つ
ここまで読んで「よし、やるぞ」と思ってくれた方に、ひとつ先にお伝えしたいことがあります。頑張りすぎると逆効果になるケースが3つあるんです。
「毎週ブログ更新!」と意気込んで3記事で止まる
あるある中のあるあるです。「HPにブログを載せよう」と決めて、最初の3本は勢いで書ける。でも4本目から「何を書けばいいかわからない」「書く時間がない」となって、更新が止まる。
3ヶ月間更新がないブログコーナーは、「やる気がない感」が出てしまって逆効果になることも。
対策は「月1回」から始めること。 ネタに困ったら、お客さんからよく聞かれる質問をそのまま記事にするのが一番ラクです。「○○ってどうなの?」と聞かれたら、その回答をブログに書く。それだけで立派なコンテンツになります。
リニューアルすれば問い合わせが増えると信じる
これ、個人的にはHP運用で最大の落とし穴だと思っています。
デザインが古くなったから100万円かけてリニューアルした。見た目はきれいになった。でも問い合わせは増えなかった。——よくある話なんですよね。
問い合わせが増えるかどうかは、デザインではなく「中身」で決まります。 リニューアル前に、まず以下を見直してみてほしいんです。
- 自社のサービスは、お客さんの悩みに寄り添った言葉で書かれているか?
- 料金は具体的に記載されているか?(「お問い合わせください」だけだと、問い合わせのハードルが上がる)
- お客様の声や事例は掲載されているか?
デザインをきれいにするのは、中身が整ってからで十分。順番を間違えると、100万円が水の泡になりかねません。
SEO業者に高額な費用を払ってしまう
「SEO対策、月額5万円でやります」——こういう営業電話、来たことありませんか。
ぶっちゃけ、従業員30人以下の中小企業が最初にやるべきSEO対策は、お金をかけなくてもできます。
- 各ページのタイトルに、お客さんが検索しそうなキーワードを入れる(「横浜 税理士 相談」など)
- Googleビジネスプロフィールに登録する(次のセクションで手順を説明します)
- 画像を軽量化してページ表示速度を改善する
この3つだけで検索からの流入は改善します。高額なSEO業者への依頼は、これらを試した上で「もっと伸ばしたい」と感じてからでも遅くありません。
Googleビジネスプロフィールの設定手順
先ほど触れた「Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)」。これ、無料で使えるのに設定していない中小企業がまだまだ多いんです。「地域名+業種」で検索したときにGoogleマップ上に表示される、あのカード情報のことです。
設定手順はこの4ステップ。
ステップ1: Googleビジネスプロフィールにアクセスし、Googleアカウントでログイン
ステップ2: 店舗名・住所・電話番号・業種・営業時間を入力
ステップ3: オーナー確認(ハガキ郵送 or 電話認証。業種によって方法が異なります。ハガキの場合は届くまで1〜2週間かかります)
ステップ4: 写真を5枚以上登録し、サービス内容の説明文を記入
ここで大事なのは、HPに載せている情報と完全に一致させること。住所の表記(「1丁目2番3号」か「1-2-3」か)まで揃えるのが理想です。Googleは情報の一貫性を重視するので、ズレていると評価が下がることがあります。
正直、この設定だけで「地域名+業種」の検索結果に表示されるようになるケースが多いです。個人的には、HP運用の中で最もコスパが高い施策だと考えています。
自社運用と外注、どっちがいい?
「HPの運用、自分でやるべき? それとも外注すべき?」
この質問もよくいただきます。答えは「どちらでもいい」……と言いたいところですが、それじゃ何の参考にもならないですよね。判断材料をまとめました。
費用の比較表
| 項目 | 自社運用 | 外注(制作会社) | 外注(IT顧問) |
|---|---|---|---|
| 月額費用 | 0〜3,000円 | 1〜5万円 | 5,000〜3万円 |
| 対応スピード | 即日〜 | 数日〜1週間 | 当日〜翌営業日 |
| 専門知識 | 自力で習得 | 高い | 中〜高 |
| 更新頻度 | 不定期になりがち | 契約内容次第 | 相談しながら決定 |
| こんな企業に向いている | 社内にPC得意な人がいる | 大幅リニューアルしたい | まず相談相手がほしい |
HP運用にかかる費用の内訳
「結局、HPの運用にいくらかかるの?」という疑問に、もう少し詳しくお答えします。
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| ドメイン費(年間) | 1,500〜3,000円 | .comや.jpで変動 |
| サーバー代(月額) | 500〜1,500円 | WordPress利用時の相場 |
| SSL証明書 | 無料 | Let’s Encrypt等で標準提供 |
| GA4 | 無料 | Googleが提供 |
| Googleビジネスプロフィール | 無料 | 必ず登録すべき |
| 軽微な更新(自分で) | 0円 | テキスト修正・お知らせ追加 |
| 軽微な更新(外注) | 3,000〜1万円/回 | 内容により変動 |
| デザイン変更(外注) | 3〜10万円/回 | ページ数・内容による |
| 全面リニューアル | 30〜150万円 | 規模と要件次第 |
つまり、自分でやれるところをやれば、年間2〜3万円程度で最低限の運用は可能です。「HP運用にお金がかかる」というイメージは、外注費が大きいから。自分でできる範囲を増やせば、コストはかなり抑えられます。
ただし——ここは正直に書きますが——自社運用の最大のリスクは「やらなくなること」です。費用がゼロでも、更新が止まったら意味がありません。「自分でやる時間が取れない」「何をすべきか判断できない」という場合は、月額数千円でもプロに伴走してもらったほうが結果的に安上がりだったりします。
よくある質問(FAQ)
ここまでの内容で「あれ、でもこういう場合は?」と思った方のために、よく聞かれる質問をまとめました。
Q. HP制作会社に運用を頼んでるけど、何をしてくれてるのかよくわからない
A. これ、実はかなり多い悩みです。まず契約書や請求書を確認して、「何の作業に対していくら払っているのか」を把握してください。月額1〜3万円の保守契約で「サーバー監視・バックアップ・軽微修正月2回」のような内容が一般的です。もし内容が不明確なら、制作会社に「毎月やっている作業の一覧をください」とお願いしてみてください。まともな会社なら、きちんと出してくれます。
Q. WordPressのバージョンアップって自分でやっていいの?
A. 本体のメジャーアップデート(5.x → 6.x等)はトラブルが起きやすいので、バックアップを取ってから実施するか、制作会社に依頼するのが安全です。プラグインの小さなアップデートは自分で「更新」ボタンを押すだけでOK。ただし、更新後に表示が崩れていないか必ず確認してください。
Q. SNSをやっていればHPは要らない?
A. これは持論ですが、SNSとHPは役割が違います。SNSは「知ってもらう」ツール、HPは「信頼してもらう」ツール。SNSで興味を持った人は、必ずHPを見に来ます。そのときにHPがなかったり、古かったりすると、せっかくのチャンスが台無しに。両方あるのが理想ですが、どちらか1つなら、BtoBはHP、BtoC(店舗系)はSNS+Googleビジネスプロフィールが優先だと考えています。
Q. アクセスが月100PVしかない。少なすぎる?
A. 業種とターゲットによります。BtoBの専門サービスなら、月100PVでも月2〜3件の問い合わせが来ることはあります。大事なのは「来てくれた人が問い合わせたくなるHPになっているか」。アクセス数を増やす前に、まずは中身を整えるのが先です。
まとめ:HPは「育てるもの」
ホームページは作った瞬間が完成じゃありません。少しずつ情報を更新して、お客さんに「この会社、ちゃんと動いてるな」と感じてもらうもの。
今日やるべきことを改めて整理します。
- スマホで自社HPを開いて、基本情報が最新か確認する
- お知らせ欄を1件更新する
- GA4が未設定なら、設定だけ済ませる(設定方法は「GA4 設定方法」で検索すれば公式ガイドが出ます)
- Googleビジネスプロフィールが未登録なら、登録する
全部やっても1時間かかりません。
……ただ、1つだけ私たちにできないことを先にお伝えしておくと、HPのデザインリニューアルや大規模な機能追加は、HaruIroAIの対応範囲外です。私たちの強みは「今あるHPをどう活かすか」を一緒に考えて、運用を伴走すること。作り直しが必要な場合は、信頼できる制作会社をご紹介しています。
「HPの更新が面倒」「何を書けばいいかわからない」「アクセス解析の見方がさっぱり」——そんな方は、まず30分の無料相談で御社のHPの現状を一緒に確認しましょう。今のHPで改善できるポイントと、優先順位をお伝えします。

相葉 葵 / HaruIroAI 広報
「ITって何から始めれば?」——お客さまからいちばん多いこの質問に、わかりやすく答えることを大事にしています。休日は千葉のパン屋さんめぐりが楽しみです。