業務効率化

外部IT担当とは? 中小企業のIT人材不足を月5,000円から解決する方法

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「パソコンが動かないんですけど……」

この一言で、あなたの手が止まる。月に何回ありますか。IPAの調査によると、中小企業の約70%にIT専任の担当者がいません。つまり「ITの困りごとを相談できる人がいない」のが、大半の会社の現実です。この記事では、IT専任者を雇わなくても「相談先がない問題」を解決する方法を、費用の比較表や業種別の事例つきで整理していきます。

「詳しい社員に任せる」は経営リスク

パソコンに詳しいだけで指名される現実

「うちにはITに詳しいAさんがいるから大丈夫」。こう言う経営者の方、本当に多いです。

でも、Aさんの本業はなんですか。営業ですか、経理ですか。「パソコンに詳しい」というだけの理由で、Wi-Fiの不具合からプリンターの紙詰まりまで全部引き受けている。本業の手が止まるたびに、売上や処理件数に影響が出ているはずです。

正直に言うと、この「兼任IT担当」の問題は、私が相談を受けるなかで一番多いケースです。8割くらいの方が同じ話をしてくれます。

Aさんが辞めたら、何が起きるか

もっと怖いのは属人化(特定の人にしかわからない状態)のリスクです。

実際にあった話をします。従業員20名ほどの卸売会社で、経理のベテラン社員がExcelのマクロ(自動処理の仕組み)で受発注から請求書まで全部回していました。その方が退職されたんですが、マクロの中身が複雑すぎて誰にも引き継げなかった。退職翌月にエラーで止まり、手作業で1週間かけて処理したそうです。

「売上管理最終版修正済み_v3.xlsx」みたいなファイルが社内に散乱していませんか。心当たりがある方は、けっこう危ない状態かもしれません。

4つの選択肢を正直に比較する

社内SE採用

年間コスト
400〜600万円
採用難易度
非常に高い

100名以上の企業向け。採用コストと専門性の偏りが課題

大手SIer

費用
月10万円〜(案件別)
小回り
利きにくい

営業経由の伝言ゲームで要件がズレやすく、追加費用も膨らみがち

フリーランス

費用
案件ごとに変動
継続性
スポット中心

納品したら関係終了。次の課題が出たら、また一から人探し

おすすめ

外部IT担当

費用
月額固定
継続性
ずっと伴走

担当者が事業を理解し続ける。エンジニアに直接相談できる

中小企業がIT課題を解決する方法は、大きく4つあります。きれいごと抜きで、それぞれの実情をお伝えします。

社内SEを採用する場合

IT専任の正社員を雇う方法。社内事情を深く理解してもらえるのは大きな利点です。

ただ、年間400〜600万円の人件費がかかります。しかも今、IT人材は争奪戦の真っ最中。大手でも採れないのに、従業員10名以下の会社がいい人材を採用するのは、正直かなり厳しい。仮に採れたとしても、ネットワークに強い人がホームページの運用もできるとは限らないですしね。

向いているのは、従業員100名以上か、IT自体が事業の中核にある企業です。

大手システム会社(SIer)に依頼する場合

大規模なシステム開発なら大手SIerの出番。品質管理体制はしっかりしています。

ただ、構造的に「小さく始める」が難しい。まず要件定義(何を作るかを決める工程)に数ヶ月かかり、その費用だけで数十万〜百万円単位になることもあります。しかも窓口は営業担当で、実際にシステムを組むエンジニアとは直接話せないことが多い。伝言ゲームになりがちで、「欲しかったものと違う」が起きやすい構造です。要件定義で漏れた部分は追加費用になるので、最終的な総額は当初の見積もりから膨らみがち。月額の保守契約でも10万円〜が一般的です。

「ホームページの更新方法を教えてほしい」「勤怠管理ツールのおすすめを知りたい」。こういう小さな相談には基本的に対応してくれません。向いているのは、大規模なシステム刷新が必要な企業です。

フリーランスに個別依頼する場合

クラウドソーシング(ランサーズやクラウドワークスなど)でフリーランスに頼む方法。案件によっては数万円から依頼でき、専門性の高い人を見つけられるのがメリットです。

ただ、基本的にスポット(単発)の関係です。ホームページを作ってもらったとして、その人との契約は納品で終わり。半年後に「ページを追加したい」「別のツールも入れたい」となったとき、同じ人がつかまるとは限らない。つかまっても、前回と同じ金額で受けてくれるかはわからない。依頼のたびに人探し→要件伝達→見積もり→発注。この繰り返しが地味に重いんです。

もう一つの問題は、事業の文脈が引き継がれないこと。フリーランスAさんにHP制作を頼み、Bさんに勤怠システムを相談し、Cさんにセキュリティを見てもらう。それぞれの判断がバラバラで、全体として噛み合わないことが起きます。

向いているのは、単発の制作案件があり、自社でディレクションできる体制がある企業です。

外部IT担当(IT顧問)を活用する場合

月額制で、ITの相談をまとめて引き受けてくれるパートナーを持つ方法です。

税理士や社労士と同じ感覚。税務は税理士、労務は社労士。じゃあITは? その「ITの顧問」が存在しなかったことが、中小企業のIT課題の根っこにあると、私は考えています。

SIerと違って、窓口=エンジニア本人です。「営業に話したけど技術のことはわからないと言われた」が起きない。フリーランスと違って、納品したら終わりではなく、月額制で継続的に伴走します。御社の事業内容・これまでの経緯・導入済みのツール。そういった文脈を担当者が理解し続けるから、毎回ゼロから説明し直す必要がない。

月額5,000円〜で、ホームページ・業務システム・ツール選定・セキュリティまでまとめて相談できる。「今月はHP、来月は勤怠」のように課題を少しずつ片付けていけるのが、月額制の強みです。

ちなみにバッファローの2024年調査によると、情シス(情報システム部門)の業務を外部委託している企業は70.3%。すでに「外に頼む」は当たり前の選択になっています。

月額顧問 vs スポット依頼、どっちが得か

話がちょっとそれますが、「毎月お金を払うのはもったいない。困ったときだけ頼めばいいんじゃない?」という質問をよくもらいます。これ、気持ちはわかります。でも数字で比べると、意外な結果になるんです。

比較項目月額顧問型スポット依頼型
月額費用5,000円〜50,000円0円(依頼がない月)
1回あたりの相談追加費用なし5,000円〜30,000円/回
緊急対応即日〜翌日人探しから開始(3〜7日)
年間総額(月2回相談)60,000円〜120,000円〜720,000円
自社の状況理解蓄積される毎回ゼロから説明

月に2回でも相談が発生するなら、月額顧問型のほうがトータルコストは下がります。何より「毎回ゼロから状況を説明する手間」がなくなるのが大きい。スポットだと、相談するたびに「うちの会社は従業員8名で、こういうシステムを使っていて……」から始まる。これが地味にストレスなんですよね。

業種別に見る「IT顧問がいたらこう変わる」

Before
  • ITトラブルを放置、業務が止まる
  • 「詳しい社員」に全部押しつけ
  • ベンダーの言い値で契約
  • 退職者のアカウントが放置
After
  • LINEで即相談、翌日対応
  • 本業に集中できる環境
  • 中立な立場で見積もりを判断
  • セキュリティの基本ルールが整備

具体的にどう変わるのか。5つの業種でシナリオを紹介します。

建設業:現場写真の整理と図面管理

紙の図面をスマホで撮影して、LINEで共有して、あとから探せなくなる。建設業のあるあるです。クラウドストレージ(インターネット上のファイル保管場所)を導入して、現場ごとにフォルダを分けるだけで、年間で数十時間の検索時間を削減できた事例があります。

製造業:FAX依頼と受発注のデジタル化

FAXで届いた注文書をPDFに変換して、メールで転送して、手入力で基幹システムに打ち込む。このワークフロー、まだやっていませんか。受発注をクラウド化するだけで、入力ミスと二重作業が激減します。

美容サロン:ポータルサイト依存からの脱却

ホットペッパーの掲載料が毎月重い。でも止めたら予約が来なくなるんじゃないか。LINE公式アカウントで予約機能を作り、既存のお客様をLINE経由に移行する。掲載料を月3万円下げたサロンもあります。

小売業:店舗とECの在庫連携

「ネットで注文入ったけど、実は店頭で売れちゃってた」。在庫のズレは信用問題に直結します。在庫管理ツールで一元化すると、こうした事故を防げます。

士業:紹介頼みの集客を変える

「新規のお客さんは紹介だけ」。これ、紹介が止まった瞬間に詰みます。ホームページとGoogleビジネスプロフィールを整備して、検索経由の問い合わせルートを作っておく。保険のようなものです。

外部IT担当の選び方チェックリスト

ここからは選定の具体的なポイントを5つ挙げます。個人的には、上から順に重要度が高いと思っています。

IT全般をまとめて相談できるか

「ホームページだけ」「セキュリティだけ」の縦割りだと、中小企業の相談には対応しきれません。「お問い合わせフォームの情報を顧客管理に連携して、LINEで自動返信したい」。こういう分野横断の相談が普通に出てくる。広く浅く、必要に応じて深く対応できるかどうかを確認してください。

月額費用と解約条件は明確か

始めやすくて、やめやすいこと。これ、めちゃくちゃ大事です。「1年間解約できません」と言われたら、試すのにも勇気がいりますよね。「合わなければやめればいい」と思える契約条件かどうかを見てください。

LINEやチャットで気軽に相談できるか

中小企業のITの困りごとって、9割は「ちょっとした質問」です。「電話しないと聞けない」「次の定例まで待つ」だと、小さな問題を放置してしまいがち。チャットで気軽に聞ける環境があるかどうかが、実は一番の分かれ目になります。

中小企業の現場を知っているか

大企業での経験は「判断力」に、中小企業での経験は「現場感」につながります。両方あるのが理想ですが、少なくとも「うちの規模感を理解してくれる」ことは必須条件。大手SIer出身で中小企業を知らない人だと、「それ、8人の会社じゃ無理ですよ」という提案をされることがあります。

特定の製品を売り込んでこないか

ここは見落としがちなポイントです。特定のメーカーやサービスの代理店を兼ねている場合、提案がどうしてもそちらに偏る。御社の立場で中立的に判断してくれるかどうか。不要なシステムを買わされたら、月額費用の何倍もの損失になります。

こんな会社に「外部IT担当」は向いている

自分の会社に当てはまるか、チェックしてみてください。3つ以上該当すれば、外部IT担当の活用を検討する価値があります。

  • IT専任の社員がいない
  • 「パソコンに詳しい社員」がなんとなくIT係になっている
  • パソコンやネットのトラブルで、月に2回以上業務が止まる
  • ツールやサービスを導入したいが、何を選べばいいかわからない
  • IT業者から見積もりをもらっても、妥当かどうか判断できない
  • 退職した社員のアカウントやパスワードが管理されていない
  • 「ITのことは社長が全部決めている」状態が続いている

ただし、正直に書いておきます。すべての企業に外部IT担当が必要なわけではありません。 例えば、すでに社内にIT専任者がいてうまく回っている会社。あるいは、大規模な基幹システムの開発が主な課題の企業。こういったケースでは、外部IT担当よりも社内SE採用や大手SIerのほうが合っています。

私たちHaruIroAIも、基幹システムの開発はしていません。できないことはできないと、最初にお伝えするようにしています。

よくある質問

自分でできることはありますか?

あります。まずはこの3つだけやってみてください。

  1. パスワード管理を整理する。 退職者のアカウントが生きたままになっていないか確認する。Googleスプレッドシートでもいいので、一覧表を作る
  2. 社内で使っているツールを書き出す。 何にいくら払っているか把握するだけで、無駄が見えてきます
  3. 「困ったことリスト」を1ヶ月つける。 ITで困った場面をメモしておくと、相談するときに話が早い

これだけでも状況はかなり整理できます。HaruIroAIに頼まなくても、自分でできる部分は多いです。

相談するほどの問題じゃない気がして……

その「ちょっとした困りごと」の積み重ねが、年間で何十時間ものロスになっている。そういうケースが大半です。小さな質問ほど、実は聞いてよかったと感じてもらえることが多いですね。

どこまで対応してくれるの?

対応範囲は契約内容によりますが、一般的には「相談・アドバイス」がベースで、実作業(ホームページの修正、ツールの設定など)は別途費用が発生する形が多いです。まずは「相談できる相手を持つ」ことが最初の一歩になります。

まとめ:相談先を持つだけで、ITの不安は軽くなる

IT専任者を雇わなくても、月額で気軽にITを相談できる「外部IT担当」という仕組みがあります。

大切なのは、いきなり大きなシステムを入れることではありません。まず「何でも聞ける相手」を確保すること。相談先があれば、小さな改善を積み重ねて、自社のペースでIT化を進められます。

経営者の85.3%が孤独感を感じているという調査があります。ITの悩みも、1人で抱える必要はないはずです。

「うちの会社だと、何から始めればいいんだろう」。その疑問から始めて大丈夫です。HaruIroAIでは30分の無料相談で、今の状況を一緒に整理するところからお手伝いしています。月5,000円から始められます。

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相葉 葵

相葉 葵 / HaruIroAI 広報

「ITって何から始めれば?」——お客さまからいちばん多いこの質問に、わかりやすく答えることを大事にしています。休日は千葉のパン屋さんめぐりが楽しみです。