止まった理由は誤字でも事実誤りでもなく、「言い過ぎ」でした。この記事では、何がどう止まったのかを実際の記録でお見せしたうえで、あなたが今日から自分の下書きに使える「公開前チェックリスト」をお渡しします。

何が起きたか:自社記事を別のAIで検品したら差し止められた

HaruIroAIでは、ブログを公開するまでに複数の目を通す工程を決めています。書いた文章を、別の会社のAIエンジン(今回はOpenAIのCodex)にかけて内容を点検し、そのあとに人が最終確認をする、という流れです。

2026年7月19日、この工程で自社のブログ記事1本(アクセス解析の記事)を公開前に検品しました。結果は次のとおりです。

  • 1回目:差し止め。指摘の核心は「言い過ぎ」が2か所。
  • 指摘を受けて該当箇所を修正
  • 2回目:通過。人の承認を経て、本番公開しました。

大事なのは、止まったのが「間違い」ではなかったことです。事実として書いた内容そのものは合っていました。止まったのは、自分たちが確かめた範囲を超えた言い方、つまり「言い過ぎ」の部分でした。今回HaruIroAIの記事で実際に起きたことで、書いた本人だけでは気づきにくいものでした。

止まった「言い過ぎ」2件を、実物で見てみる

※以下の指摘内容は、社内のプルリクエスト記録と修正差分にもとづく記録の要旨であり、検品コメントの逐語録ではありません。引用(>)部分は、記事本文の修正前・修正後(before/after)の文面です。

①「自分の家で起きたこと」を「世間一般の話」に広げていた

もとの文章は、こう書いていました。

ただし小規模サイトではデータが返らないことがあります。HaruIroAIでも重要5ページを(中略)確認したところ、今回はデータがありませんでした。

HaruIroAIが実際に確かめたのは、自社の5ページでデータが返らなかったという事実だけです。それなのに「小規模サイトでは(一般に)返らないことがあります」と、世間全体の話に広げていました。確かめていない範囲まで言い切っていた、ということです。

修正後は、一般化の一文を削り、こう変えました。

HaruIroAIでは重要5ページを(中略)確認したところ、今回はデータがありませんでした。

「HaruIroAIでも」を「HaruIroAIでは」に直し、主語を自分たちに限定しています。地味な違いに見えますが、「自分が確かめたこと」と「世間で一般に言えること」を混ぜない、という点で大きな違いです。

②「手掛かり」でしかないものを「確認できます」と断定していた

もう1件は、検索キーワードのデータについての説明でした。もとの文章はこうです。

Search Consoleのデータをつなぐと、どの悩みや目的で表示されたのかを確認できます

検索キーワードから分かるのは「どんな言葉で検索されたか」までです。その言葉の裏にある「悩みや目的」は、あくまで推測であって、確認できるわけではありません。「確認できます」は言い過ぎでした。

修正後はこうしました。

どの言葉で表示されたかが分かり、読者の悩みや目的を推測する手掛かりになります

「確認できます」を「推測する手掛かりになります」に弱めています。データで分かること(言葉)と、そこから想像すること(悩み)を、はっきり分けた形です。

なお、指摘は全部が「即修正」ではありません。今回も表記のゆれについて指摘が1件ありましたが、これは意図したスタイルだったため理由を添えて直さず、記録に残しました。指摘を受けて、直すか・残すかを自分たちで判断するのも工程のうちです。

今回の2件に共通していたこと。そして検品は「保証」ではない

今回HaruIroAIの記事で止まった2件は、どちらも「〜な場合がある」「〜を確認できます」といった、一般化・断定に寄った言い方でした。文章が整っていると「合っていそう」に見えてしまい、書いた本人だけでは言い過ぎに気づきにくいものでした。

だからといって、別のAIに通せば「嘘がゼロになる」わけではありません。HaruIroAIでは、AIで作った文章にも見落としや言い過ぎが残りうるという前提で工程を組んでいます。検品は、間違いや言い過ぎを減らすための工程であって、正しさを保証するものではありません。ここを勘違いすると、「AIでチェックしたから大丈夫」と逆に油断してしまいます。

ポイントはシンプルで、書いた本人(人でもAIでも)とは別の目を、公開前に一度通すこと。HaruIroAIの場合はそれが「別会社のAIエンジン+人の確認」でした。

今日から使える「公開前チェックリスト」

一人で作業していても使えるように、簡単な形にしました。自分の下書きをコピーして、一文ずつ次を当てていってください。

【AI下書き 公開前チェックリスト】

1. 出典メモとの照合
   その文の「数字・事実・言い切り」に、確かめた元ネタはある?
   → ある / ない(「ない」なら 3 へ)

2. 言い過ぎになっていないか(2つの型)
   ・一般化:「一般に」「多くの場合」「みんな」は、
     自分が確かめた範囲を超えていない?
   ・断定:「確認できます」「必ず」「〜だけで十分」は、
     本当は「手掛かり」「可能性」の話ではない?

3. 各文を3択で判定する
   ① そのまま出す(元ネタあり・言い過ぎなし)
   ② 言い方を弱める(「確認できます」→「手掛かりになります」など)
   ③ 根拠を足すか、その一文を削る(元ネタがないとき)

4. 別の目を一度通す
   可能なら別のAIに読ませる。
   無理なら「一晩おいた自分」か「声に出して読む」で代用する。

やることは多くありません。「元ネタはあるか」「言い過ぎていないか」の2点を、一文ずつ確かめるだけです。今回HaruIroAIで止まった2件も、この2点で引っかかった箇所でした。

一人でやるときの小さな工夫

別のAIを用意できなくても、近いことはできます。

  • 時間を空ける:書いた直後は言い過ぎに気づきにくいことがあります。一晩おくと、他人の文章のように読めます。
  • 声に出して読む:「確認できます」「必ず」など、強い言葉が耳に引っかかります。
  • 主語を自分に戻す:「一般に〜」と書きたくなったら、「(自分が確かめた範囲では)〜」と言い換えられるか確かめる。言い換えられないなら、それは言い過ぎのサインです。

AIは下書きを速く作ってくれる、頼れる相棒です。そのうえで最後に「別の目」を一度通す。HaruIroAIでは、この「別の目」を、公開前に言い過ぎを見つけるための工程として組み込んでいます。

この記事を書いた人

相葉 葵 / HaruIroAI 広報

HaruIroAIの広報担当。専門用語をできるだけ使わず、WebやAI活用の実践で分かったことを、小規模事業者向けに整理します。記事はHaruIroAIの検証記録と一次情報をもとに作成し、公開前に人が確認しています。

この記事の作り方

この記事は、HaruIroAI自身の公開前検品の記録(社内のプルリクエスト記録・修正差分・公開ページの確認)をもとに構成しています。文章の作成・記録の照合にAIを使用し、内容は人が最終確認しています。外部の統計は需要の背景として参照したもので、本文中の判断の根拠には自社の記録のみを用いています。