先に結論
GA4は必要です。ただし、SEOの完成版ではありません。
GA4が教えてくれるのは、主に「サイトへ来た後」の行動です。検索される前後の状況、Googleに登録されている状態、実際の問い合わせ品質は、別のデータと一緒に見なければ判断できません。
アクセス解析画面を作って、最初に困ったこと
HaruIroAIでは、自社サイトの訪問数、流入元、最初に見たページ、よく見られたページ、関心を示した割合、問い合わせフォームまでの行動を、週次で確認できる画面にまとめました。
これで「どのページが読まれているか」は見やすくなりました。一方で、画面を作り終えたときに、次の問いには答えられませんでした。
- どんな言葉でGoogle検索されているのか
- 検索結果には出ているのに、クリックされていないページはあるか
- Googleがページをindexできているか
- 実際の利用者環境で表示が遅くないか
- 送信イベントではなく、本当の問い合わせや商談につながったか
つまり、GA4の数字を増やすだけでは、SEOの次の一手を選べなかったのです。
GA4で分かること、分からないこと
GA4のData APIには、セッション、利用者、ページ閲覧、関心ありセッション、利用者がページを前面に表示していた時間などの指標があります。Googleの定義では「関心ありセッション」は、10秒を超えた、重要イベントがあった、または2回以上ページが表示されたセッションです。
これは訪問後の反応を見るには役立ちます。ただし「最後まで読んだ」「満足した」「この場所で離脱した」と同じ意味ではありません。HaruIroAIの画面でも、取得していない退出ページやページ間の経路を、似た指標から推測して表示しない設計にしました。
仕様: Google Analytics Data APIの指標定義
実際に足りなかった5つのデータ
01
検索された言葉
GA4だけでは、Google検索で使われた言葉をSEOの判断材料として十分に並べられません。Search Consoleのqueryデータをつなぐと、どの言葉で表示されたかが分かり、読者の悩みや目的を推測する手掛かりになります。
02
表示回数・クリック率・平均掲載順位
訪問が少ない理由が「検索結果に出ていない」のか、「出ているが選ばれていない」のかで対策は変わります。表示回数、click、CTR、positionをページとqueryごとに見ることで、titleや説明文を直す候補を絞れます。
ただしSearch Analytics APIは全行を保証せず、top rowsや匿名化の制約があります。出ていない検索語を0件とは扱いません。
03
index・canonical・sitemapの状態
良いページを書いても、Googleが意図したURLをindexしていなければ検索の入口になりません。HTTP status、robots、canonical、sitemapと、Search Consoleのindex情報を分けて確認します。
URL Inspection APIで見られるのはGoogleのindex内にあるversionです。公開直後のliveページをそのまま検査した結果とは限りません。
04
実利用者の表示品質
制作環境のLighthouseだけでなく、利用者環境のLCP、INP、CLSをCrUXのfield dataで確認します。
HaruIroAIでは重要5ページをスマートフォン・パソコン別に確認したところ、今回はfield dataがありませんでした。これは「問題なし」でも「遅い」でもありません。no-dataのまま残し、lab計測と混ぜない判断にしました。
05
本当の問い合わせ・商談・受注
フォーム送信イベントは、計測上の方向を示すものです。迷惑送信、重複、通知失敗もあり得るため、実際の問い合わせ台帳と照合するまで「顧客」や「売上」とは呼べません。アクセス改善が事業に役立ったかは、個人情報を分析画面へ持ち込まず、段階別の件数で確認します。
仕様: Search Analytics API / URL Inspection API
小規模サイトは、全部を一度に集めなくていい
データが足りないからといって、最初から高額な分析基盤を作る必要はありません。HaruIroAIでは、次の順番にしました。
- GA4訪問後にどのページが見られ、反応があったか
- Search Consoleどの検索機会から、どのページへ来たか
- index / technical検索エンジンが正しいURLを扱える状態か
- field / lab performance実利用者データと検証環境を分けて、遅さを確認できるか
- 実問い合わせ計測イベントではなく、相談や商談へつながったか
率や前週比較も、件数が少ないうちは判断を急ぎません。HaruIroAIの運用画面では、独自に計算する率は分母30以上を表示の目安にし、30以上でも統計的な有意差や原因を自動で断定しないようにしています。
まず今週、1つだけ確認するなら
GA4が入っているなら、次はSearch Consoleで「表示回数はあるのにclickが少ないページ」を1つ探してみてください。そのページの検索意図とtitleがずれていないかを読み直すところから始められます。
データが少ない、Search Consoleが未設定、何を直すべきか決められない場合は、その「分からない状態」自体を記録してください。0に置き換えず、次に取るデータを1つ決める方が、改善は進みやすくなります。
この記事の作り方と更新方針
この記事は、HaruIroAIのTASK-0036 / TASK-0037で行った実装・レビュー・live検証をもとに、Google公式仕様を再確認して作成しました。構成、一次情報照合、HTML検証にAIを使用し、実装EvidenceとHuman reviewを正本にしています。仕様や自社の計測方法が変わった場合は、内容と更新日を見直します。