個人事業主を対象と名指しで明記しながら、創業前の人は対象外だとはっきり書いている制度があります。逆に、これから創業する人も対象に含めていた制度もあります。開業してからの年数で線を引いている制度もあります。
補助金のページを開くと、つい金額や対象経費の欄から読み始めたくなります。ですが、最初の関門はそこではありません。対象者の欄で入れなければ、経費や金額をどれだけ読み込んでも、申請そのものができません。読む順番は、対象者が先です。しかも対象者の欄には、満たすのに時間のかかる要件が含まれていることがあります。
この記事では、二〇二六年八月七日に、HaruIroAIで、国の小規模事業者持続化補助金の公募要領PDF、千葉県の実施団体が公開しているちば創業応援助成金のページ、松戸市の中小企業デジタル化チャレンジ補助金のページと申請要領を直接開いて確かめた記載をもとに、対象者の欄で最初に確かめる三つのことをお伝えします。どの制度があるかという一覧は、以前の記事「パソコン購入に補助金は使えるか 国と千葉の5制度の上限と条件」にまとめてあります。今回は、どの制度のページを開いたときにも使える、読み方の話です。
一つ目:今の自分の「段階」が入るか——創業前か、開業済みか、何年目か
国の小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)の第二十回公募要領には、「補助対象者の範囲」という表があります。補助対象となりうる者の側には、こう書かれています。
個人事業主(商工業者であること)
個人事業主が、名指しで対象に入っています。ところが、同じ表の反対側——補助対象にならない者の側には、こうあります。
申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)
さらに注記には、開業届を提出していても申請時点までに事業を開始していない場合は対象外となり、採択後に判明した場合は採択・交付決定の取消し等を行う場合がある、とまで書かれています。個人事業主は入れる、ただし申請の時点で開業して事業を始めていることが前提——この制度の「段階」の線は、そこに引かれています。
一方で、これから創業する人も対象に含めていた制度もあります。公益財団法人千葉県産業振興センターのちば創業応援助成金です。令和八年度の募集はすでに終了していますが、対象者の欄の書き方の実例として見てください。「助成対象となる方」の欄には、こうありました。
次の①、②のいずれかに該当する、これから千葉県内において創業を予定している方や千葉県内で創業して間もない中小企業者の方(創業5年未満)で、助成事業実施予定地を千葉県内とする方
これから創業する予定の方が対象に含まれています。開業済みの側にも「創業5年未満」という年数の線があります。文頭の「次の①、②のいずれかに該当する」という条件は、この記事の最後の節で取り上げます。
もう一つ、開業してからの年数で線を引く例です。松戸市の中小企業デジタル化チャレンジ補助金の申請要領には、補助対象者の要件として、こうあります。
事業開始後税務申告を1期以上終え、かつ松戸市内に申請時点で1年以上継続して営業実態がある事業所を有する者
開業したばかりで、まだ税務申告を一期も終えていない段階では、この制度には入れません。細かいことですが、この要件には「(法人成りにより、1期を迎えていない場合、個人として1期以上終えていれば可)」という括弧書きまで付いています。個人事業主から法人になったばかりの人を想定した書き分けです。対象者の欄は、ここまで具体的に読む価値があります。
並べると分かるとおり、「創業前はどの補助金も無理」も、「開業さえすればどれでも申請できる」も、どちらも思い込みです。段階の線は制度ごとに違う場所に引かれています。自分が今どの段階にいるかを、欄の記載と突き合わせるのが最初の一歩です。
確認先:小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領・第20回(PDF)/ちば創業応援助成金(千葉県産業振興センター)/松戸市 中小企業デジタル化チャレンジ補助金/同 申請要領(R8・PDF)(いずれも2026年8月7日に取得して確認)
一つ目の補足:「個人事業主」の語が対象者の欄に見つからないとき
対象者の欄に「個人事業主」と書いていない制度もあります。先ほどの松戸市がそうです。市のページの補助対象者の欄にあるのは「中小企業者等」という言葉で、個人事業主という語はページの対象者欄にも申請要領の対象者の項にも出てきません。
ここで「法人向けなのか」と閉じてしまう前に、見てほしい欄があります。申請書類の欄です。松戸市の申請要領の提出書類には、こう書かれています。
〔個人事業主〕直近の確定申告第1表および青色申告決算書又は収支内訳書
個人事業主の場合に出す書類が、最初から定められています。つまりこの制度は、個人事業主が申請することを想定して作られていると読み取れます。対象者の欄で語が見つからないときは、申請書類の欄まで見る——それでも判断がつかなければ、窓口への事前相談や問い合わせで確かめる。その順番で読むと、「書いていないから対象外だろう」という早合点を避けられます。
確認先:松戸市 中小企業デジタル化チャレンジ補助金/同 申請要領(R8・PDF)(いずれも2026年8月7日に取得して確認)
二つ目:「どこで」の要件——場所だけでなく、期間も
対象者の欄には、事業を「どこで」やっているか、やる予定かの要件も書かれています。この書き方は、今回確かめた三つでもそれぞれ違いました。
国の持続化補助金は「日本国内に所在する小規模事業者(日本国内に居住する個人、又は日本国内に本店を有する法人)等」。千葉県のちば創業応援助成金は「助成事業実施予定地を千葉県内とする方」——実施する予定の場所が県内であることを求める書き方です。そして松戸市は、先ほど引用したとおり「松戸市内に申請時点で1年以上継続して営業実態がある事業所を有する者」。場所だけでなく、そこで一年以上続けているという期間の条件まで付いています。
今回確かめた三つでは、所在地の条件が国内・県内・市内と分かれ、その場所で何年続けているかという継続期間まで求めていたのは松戸市の制度だけでした。事業所を移したばかりの方は、場所の要件だけでなく期間の書き方まで確かめてください。
確認先:一つ目の節と同じ3件(いずれも2026年8月7日に取得して確認)
三つ目:規模と業種の線——「小規模」には定義がある
「小規模事業者持続化補助金」の「小規模事業者」は、感覚の言葉ではなく、従業員数で定義されています。公募要領には、業種ごとにこう並んでいます。
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5 人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20 人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20 人以下
線は一本ではありません。業種によって五人以下と二十人以下に分かれています。しかも、数え方そのものにも定義があります。要領には、常時使用する従業員には日雇労働者や二か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者は含まれず、「また会社役員や同居の親族従業員は含まれません。」と書かれています。
つまり、頭数だけ数えて「うちは六人いるから小規模事業者ではない」と閉じるのは早い、ということです。その六人の中に役員や同居の親族、試用期間中の人が含まれているなら、定義上の従業員数はもっと少ないかもしれません。業種の判定も、要領では「現に行っている事業の業態、または今後予定している業態」によるとされています。規模や業種の言葉が出てきたら、その言葉の定義がどこかに書かれていないかを探して、定義のほうで数え直してください。個々の従業員をどう数えるかの最終的な判断は、要領の参考資料と事務局への確認で決まります。
確認先:小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領・第20回(PDF)/同 事務局サイト(いずれも2026年8月7日に取得して確認)
対象者の欄は、募集が始まる前に読む
最後に、読むタイミングの話です。対象者の欄には、申請書を書く段階になってから急に満たせるものではない要件が、含まれていることがあります。
ちば創業応援助成金の対象者欄で、一つ目の節に引用した文の頭に置かれていた「次の①、②のいずれかに該当する」という条件です。①は、こういう要件でした。
市町村等が実施している特定創業支援事業(創業セミナー等)に参加し、修了証明書の発行を受けた方
②は、こうです。
千葉県内の公的インキュベーション施設(コワーキングスペースを除く)に入居している方
②の続きには、東葛テクノプラザや松戸スタートアップオフィスなど、対象となる県内七つの施設名が列挙されていました。
セミナー等に参加して修了証明書の発行を受けることも、施設に入居することも、書類の書き方の工夫でどうにかなる類のものではありません。時間がかかります。そして令和八年度のこの助成金の申請期間は、四月二日から四月三十日まで——約一か月でした。募集が始まってから初めて対象者の欄を読んだのでは、準備が間に合わないことがありえます。
なお、令和八年度の募集は終了しており、次年度の募集があるかどうか、あるとすればいつかは、掲載ページには書かれていません。ここでお伝えしたいのは、この制度そのものの案内ではなく、対象者の欄は、募集が始まる前に読んでおく価値があるということです。狙っている制度があるなら、いま募集していなくても、直近の回の対象者欄を先に読んで、満たすのに時間のかかる要件が無いかを確かめておく。これは今日からできます。
確認先:ちば創業応援助成金(千葉県産業振興センター)(2026年8月7日に取得して確認)
経費の前に、対象者の三つ
まとめます。補助金・助成金のページや公募要領を開いたら、金額や経費の欄より先に、対象者の欄でこの三つを確かめてください。
一つ目は、今の自分の「段階」が入るか。創業前か、開業済みか、開業から何年か。個人事業主の明記があるか。語が見つからなければ、申請書類の欄まで見る。
二つ目は、「どこで」の要件。場所の条件(今回の三つは国内・県内・市内と分かれていました)と、「1年以上継続」のような期間の条件。
三つ目は、規模と業種の線。「小規模事業者」のような言葉には定義がある。線は業種で違い、数え方も決まっている。定義のほうで数え直す。
この三つを通ってから、中身に進んでください。対象経費や上限の欄をどう読むかは、前回の記事「同じパソコンでも、補助金は「1台2万5千円まで」から「対象外」まで分かれていた——3制度の公式ページと公募要領で確かめた、見積の前に見る三つの読みどころ」でお伝えしています。制度ごとの上限と条件を並べて知りたいときは「パソコン購入に補助金は使えるか 国と千葉の5制度の上限と条件」をご覧ください。
なお、この記事は各制度の記載の読み方をお伝えするもので、個別の方が対象かどうかの判定はできません。要件・文言は取得日時点のもので、公的機関のページや要領は更新されることがあります。最終的な対象可否は、各制度の窓口・事務局への確認で決まります。
この記事の作り方
この記事は、構成・一次情報の照合・文章化にAIを使用し、HaruIroAIの編集ルールに基づいて作成しています。本文で引用した記載・要件は、2026年8月7日(日本時間)に、HaruIroAIが小規模事業者持続化補助金事務局・公益財団法人千葉県産業振興センター・松戸市の各ページと要領PDFを直接取得して確認したものです。確認先は各節の末尾にリンクを置いています。公的機関のページ・公募要領の記載は、この記事の公開後に更新されることがあります。この記事は個別の申請可否をお伝えするものではなく、欄の読み方をお伝えするものですので、実際に申請される際は、必ずリンク先の現在の表示と最新の要領をご確認ください。内容は公開前に人が最終確認しています。