この記事では、発注してよい時点の「周り」に何が書かれているかを原文で確かめ、発注書に日付を入れる前に見ておく場所を整理します。お伝えできるのは「要領とページに何が書かれていたか」までで、個別の発注が補助の対象になるかどうかを判定するものではありません。

もとにしたのは、二〇二六年八月十七日にHaruIroAIで直接開いて確かめた一次情報です。国の小規模事業者持続化補助金(第20回公募)の公募要領(第8版)と、松戸市の中小企業デジタル化チャレンジ補助金の申請要領(令和8年度)はPDFの現物を、千葉市産業振興財団のICT活用等生産性向上支援事業(タイプA)はページを取得しました。国の制度と、千葉県内の市・財団の制度という取り合わせは、これまでの記事と同じです。

前提を先に置いておきます。持続化補助金の要領は、対象外経費の例に「交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)等を実施したもの」を挙げています。交付決定を待たずに発注したものは対象外——この一行そのものと、申請してからお金が入るまでの順番は、「採択されたのに、お金はまだ入らない?——補助金の「後払い」と、申請から入金までの順番」でお伝えしました。今回はその続きです。

先に申し上げると、三つの文書のどれも、「いつから」を一つの日付だけでは書いていませんでした。始まりの隣に終わりの期日があり、文書によっては、日付とは別に、申請時の計画への記載を求める条件もありました。順に見ていきます。

持続化補助金——「いつから」は、三つの条件のうちの一つだった

まず、国の小規模事業者持続化補助金です。公募要領の「補助対象経費」の節に、対象となる経費の定義がこう書かれています。

(2)補助対象となる経費は、次の①~③の条件をすべて満たすものとなります。

① 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
② 交付決定日以降に発生し補助事業期間中に支払が完了した経費
③ 証憑資料等によって支払金額が確認できる経費

「いつから」に関わる条件が、この②です。ただし、②の「発生」が発注・契約・納品のどの時点を指すのかは、この一行には書かれていませんし、この記事でも解釈しません。発注や契約の時点についてはっきり書いているのは、冒頭で触れた対象外経費の側の一行です。それでも②をよく見ると、「交付決定日以降に発生し」という始まりと、「補助事業期間中に支払が完了した」という終わりが、同じ条件の中に同居していることは分かります。始まりの条件を確かめに行くと、いつまでに払い終えるかも同時に決まっている。しかも条件は②ひとつではなく、三つすべてを満たすものとされています。なお、事業を実施できる期間の具体の日付については、同じ要領に「補助事業実施期間等」という節が別に置かれています。

①と③は、日付では満たせない条件です。使用目的が事業の遂行に必要なものと特定できること、証憑資料等で支払金額が確認できること。何がこの補助金の対象経費になるかという読み方は、「同じパソコンでも、補助金は「1台2万5千円まで」から「対象外」まで分かれていた」でお伝えしています。

冒頭の対象外の一行の直後には、展示会等への出展の申込みだけを認める例外の注記が付いています。この例外と、それに「請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外です」という条件が付いていることは、前の記事でお伝えしたとおりです。ここで確かめておきたいのは一点だけ——例外にも日付の条件が付いている、つまり例外も日付から自由ではないという点です。同じ趣旨の記載は、経費の種類ごとの説明(展示会等出展費)の側にもありました。この例外は持続化補助金のこの要領のこの箇所の記載であって、ほかの制度やほかの経費に当てはめられるものではありません。

もう一つ、時点とは別の条件の実例を挙げます。経費の種類のうち「⑤旅費」の説明に、こうあります。

○補助事業計画に基づく販路開拓を行うための出張である旨を記載した出張報告の作成等により、必要性が確認できるものが補助対象となります(補助事業計画に明記されていない出張の場合は、補助対象外経費となります)。

日付の条件とは別に、補助事業計画に明記されていない出張は対象外になる、と書かれています。これは旅費の欄の記載で、すべての経費の種類に同じ語があるかまでは確かめていません。それでも、「いつ」の条件を守るだけでは足りない場面がこの要領にあることは、ここから分かります。

確認先:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版・PDF)(2026年8月17日に取得して確認)

松戸市——期間を申請時に自分で決め、計画に無い費用は交付決定の後でも対象外だった

二つ目は、松戸市の中小企業デジタル化チャレンジ補助金です。この申請要領には「補助対象期間」という欄があり、こう書かれています。

令和8年4月から令和9年3月までの間で、事業開始日を含む連続した最大3か月間を補助対象期間と設定し、当該期間内に契約・発注・支払を行った経費について補助します。

そして注記に「※補助対象期間は申請時に設定します。」「※補助対象期間中に契約・発注・支払が完了しない経費は補助できません。」とあります(事業の目的を達成するために必要である場合は、最大六か月間とすることができる、というただし書きも付いています)。

「いつから、いつまでに買うか」の枠を、申請のときに自分で設定する構造です。契約から支払いまでが、その設定した期間の中に収まらなければならない。つまりこの制度では、「いつまでに」の側の答えが、交付決定の日付ではなく、申請時に自分が設定した期間で決まっていることになります。

さらに、この要領でいちばんお伝えしたい注記が、交付申請時の提出書類の欄にありました。提出書類の一つである事業計画書に、こう付いています。

※事業計画書に計上していない費用及びそれを上回る費用は、交付決定後に発生しても補助対象となりませんので、ご注意ください。

対象外経費の例に「交付決定日以前に発注や購入した設備等の経費」とあるのは前の記事で触れたとおりですが、この注記はその逆側を書いています。交付決定の後に発生した費用であっても、事業計画書に計上していなければ対象外。日付が「いつ」を決め、計画書が「何を」決めている、という分担です。計上してあれば安心、とも読めません——計上した額を上回る費用も対象外と、同じ注記に書かれています。

この分担は、実績報告の側からも確かめられます。実績報告時に出す支払書類の写しは、「補助金申請の際に提出された「事業計画書」において計上した経費に係る」ものと指定されていました。交付申請そのものも、「経費にかかる契約前に」書類を揃えて提出するものとされています。申請の時点で書いた計画との対応が、実績報告の段階まで続けて確かめられることになります。

確認先:松戸市 中小企業デジタル化チャレンジ補助金 令和8年度 申請要領(PDF)(2026年8月17日に取得して確認)

千葉市産業振興財団——「交付決定」と「採択通知書」、二つの語が使われていた

三つ目は、千葉市産業振興財団のICT活用等生産性向上支援事業(タイプA)です。このページの「注意」には、支援対象外として、こう挙げられています。

(1)交付決定前に支出のあった経費、契約済みの経費等。

支出だけでなく、「契約済みの経費等」という語も並んでいます。一方で、事業を実施できる期間の欄には、こうあります。

本事業の事業実施期間は、「ICT活用等生産性向上支援事業採択通知書(様式第3-1号)」の日付から令和9年3月末日までとします。

対象外の条件は「交付決定前」という語で書かれ、実施期間の起点は「採択通知書」の日付で書かれています。今回取得したページの本文で「交付決定」という語が出てくるのは、対象外のこの一行だけでした。二つの語が同じ日付を指すのか、別の日付なのかは、このページには書かれていません。この記事でどちらかに読み替えることもしません。

では実務でどうするかというと、このページの申請は、申請書のドラフト版を用意してコーディネーターへの事前相談(予約制)を行うところから始まる、と案内されています。自分の案件で「ここから支出してよい」に当たるのがどの書類のどの日付なのかは、この事前相談の場で財団に確かめておきたい事項です。申請の前に相談の段取りが置かれている制度がほかにもあることは、「補助金の申請締切とは別に、11日早い締切があった」でお伝えしました。

確認先:千葉市産業振興財団 ICT活用等生産性向上支援事業「タイプA:生産性向上小規模型」(2026年8月17日に取得して確認)

交付決定前の発注を避ける三つの確認——発注書に日付を入れる前に

最後に、発注の前に手を動かして確かめられることを三つ。

ひとつ目。始まりの日付が、どの書類のどの日付なのかを確かめる。「交付決定の後」とひとことで言っても、今回確かめた三つの文書では、交付決定日と書くもの、交付決定後と書くもの、実施期間の起点を採択通知書の日付で書くものがありました。自分の案件で「ここから」に当たる日付がどれなのかを、その制度の要領・ページで確かめ、届いた通知の現物と突き合わせる。読み切れなければ、思い込みで決めずに窓口へ聞く。

ふたつ目。終わりの期日を同時に見る。今回の三つは、いずれも「いつから」だけでなく「いつまでに」を書いていました。支払いまで期間の中に収まるか。その期間は、要領で決まっているのか、申請時に自分が設定したものなのか。発注の日付だけ確かめて、支払いの日付を確かめ忘れると、同じ一行のもう半分を読み落とすことになります。

みっつ目。その経費が、申請時に出した計画書・内訳のどの行に載っているかを突き合わせる。松戸市の要領は、計画書に計上していない費用は交付決定の後でも対象外と明文で書いていました。持続化補助金にも、旅費の欄に、計画に明記されていない出張は対象外という記載がありました。同じ趣旨の記載があるか、どの経費に及ぶかは制度ごとに違いますから、自分の案件では、その制度の要領で計画に関わる記載を探して突き合わせてください。

例外については、ひとことだけ。展示会の申込みのように、交付決定前でも構わないとされる記載はありますが、それはその要領のその箇所の記載であり、例外自体にも条件が付いていました。例外を思い込みで使わず、要領の当該欄で確かめてから動く。ここは前の記事と同じ結論になります。

なお、この記事は要領とページに何が書かれていたかをお伝えするもので、個別の発注が対象になるか、いまから間に合うかを判定するものではありません。引用した文面はいずれも二〇二六年八月十七日に取得した時点のもので、持続化補助金の文面は第8版に書かれているものです。版の見方については「保存した公募要領が、最新版とは限らない」でお伝えしています。実際のお手続きの際は、この記事ではなく、必ずその時点の現行版と、各制度の窓口・事務局へのご確認をお願いします。

この記事を書いた人

相葉 葵 / HaruIroAI 広報

HaruIroAIの広報担当。専門用語をできるだけ使わず、WebやAI活用の実践で分かったことを、小規模事業者向けに整理します。記事はHaruIroAIの検証記録と一次情報をもとに作成し、公開前に人が確認しています。

この記事の作り方

この記事は、構成・一次情報の照合・文章化にAIを使用し、HaruIroAIの編集ルールに基づいて作成しています。本文で引用した記載は、2026年8月17日(日本時間)に、HaruIroAIが小規模事業者持続化補助金の公募要領(第8版)のPDF現物、松戸市の申請要領(令和8年度)のPDF現物、千葉市産業振興財団のページを直接取得して確認したものです。確認先は各節の末尾にリンクを置いています。引用は原文ですが、PDFから文字を取り出す際に生じる行の折り返しと字間の空白だけは、読みやすさのために整えています。文言そのものは変えていません。「この言葉がページに一度しか出てこない」という形の確認は、取り出したテキスト全体を機械的に検索して、出現回数を数えています。本文の記載は、いずれも取得時点のものです。この記事は、個別の発注が補助の対象になるか・いまから間に合うかを判定するものではありません。要領とページに何が書かれていたかをお伝えするものですので、実際のお手続きの際は、必ずその時点の現行版と、各制度の窓口・事務局へのご確認をお願いします。内容は公開前に人が最終確認しています。